SGLT2阻害薬はHFpEF患者に効果はあるか?

Empagliflozin in Heart Failure with a Preserved Ejection Fraction(EMPEROR-Preserved trial)

Stefan D Anker,NEJM,2021

文献はこちらです。

・SGLT2阻害剤は、2型糖尿病患者、心不全および駆出率の低下した患者の心不全(HFrEF)の発症と進行を軽減することが示されている。Lancet 2019;393:31-39

・2型糖尿病におけるダパグリフロジンの大規模試験のpost hoc 分析では、SGLT2阻害薬はHFpEFの有害転帰の発生率を低下させない可能性があることが示された。Circulation. 2019;139:2528–2536

・ソタグリフロジンを用いた試験で有効性が報告されましたが、イベントの数が少なすぎて、治療効果の信頼できる推定はできなかった。N Engl J Med 2021;384:117-128.

方法

・2017年3月27日から2020年4月13日まで

・randomized, double-blind, parallel-group, placebo-controlled, event-driven trial

・介入群と対照群は1:1に割り付けられた

・primary outcomeは、生存時間分析で評価

・ITT解析

・841人をprimary outcomeを判定する目標人数とした(0.05の両側αレベルでハザード比0.8を検出する90%の検出力)

Patient

・18歳以上のNYHA II〜IVの慢性心不全がある

・左心室駆出率>40%

・NT-proBNP>300 pg/mlか、ベースラインで心房細動を患っている患者の場合、NT-proBNP>900pg/ml

・除外・・・心不全とは無関係に臨床経過を変える可能性のある障害がある場合や、患者の安全を脅かしたり、試験への参加を制限したりする可能性のある状態がある場合

Intervention

エンパグリフロジン10mg投与

Control

プラセボ投与

Outcome

primary outcomeは、最初のイベントまでの時間として分析された、心血管死または心不全による入院の複合

・最初のsecondary outcomeは、最初のイベントと再発イベントを含む、心不全による入院の発生。 2番目のsecondary outcomeは、eGFRの低下率。

結果

・主要な複合転帰イベント(心血管系の原因による死亡または心不全による入院)は、エンパグリフロジン群の415人の患者(13.8%)およびプラセボ群の511人の患者(17.1%)で発生した(6.9対8.7のイベント/100人年;ハザード比、0.79; 95%CI 0.69〜0.90; P <0.001)

・26か月の中央値試験期間中に、1つの主要転帰イベントを予防するために必要なエンパグリフロジンで治療された患者の数(NNT)は31(95%CI 20〜69)。

・心不全による入院の総数は、プラセボよりもエンパグリフロジンの方が少なかった(ハザード比0.73; 95%CI 0.61〜0.88; P <0.001)。

・eGFRの低下率は、エンパグリフロジン群の方がプラセボ群よりも遅かった(–1.25 vs. –2.62 ml /分/1.73 m2 /年; P <0.001)。

・一次転帰イベントの発生率に対するエンパグリフロジンの効果は、ベースラインで糖尿病の有無にかかわらず事前に指定されたサブグループ間で概ね一貫していた。

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