タンパク質の摂取は健康にいいか?

Dietary intake of total, animal, and plant proteins and risk of all cause, cardiovascular, and cancer mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies

Sina Naghshi,BMJ,2020

文献はこちらです。

まずはまとめから!

・植物性蛋白質はあらゆる原因による死亡率、心血管疾患予防効果がある可能性が高い。

・動物性蛋白質は死亡率や心血管疾患、がんに対して予防効果があるとはいえない。

・総蛋白摂取増加はあらゆる原因による死亡率の予防効果がある可能性が高い。

・蛋白質摂取とがんの死亡率とに関連は特にみられなかった。

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植物性蛋白質(豆類に圧倒的に多く含まれる)の健康への寄与はとても大きいです。動物性蛋白質は今回死亡率に関連はないという結果でしたが、あるメタ解析では1週間に3サービング(ハンバーグでいうと1食分くらい)減らすごとにがん死亡率は下がっていくというものや、観察研究では糖尿病やがんリスクが増えるという結果も出ています。
蛋白質はなるべく納豆や豆腐、枝豆等の豆類から積極的に摂取するのが理想的と思います。魚も死亡率低下の効果があるのでGoodですよ!

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方法

Search strategy

PubMed / Medline、ISI Web of Science、Scopusなど、2019年12月31日までに公開されたオンラインデータベースのすべてを検索。

Inclusion Criteria

・成人

・総タンパク質、動物性タンパク質、または植物性タンパク質の摂取量、これらとすべての原因、心臓血管疾患、総癌または特定の癌による死亡率との関連性を95%信頼区間(CI)と一致させてハザード比または相対リスクまたはオッズ比を含むeffect sizeを報告した研究

Exclusion Criteria

・letters, comments, reviews, meta-analyses, ecological studiesで記されているもの

・子供または青年

・慢性腎臓病の患者、血液透析、末期がん、重篤な疾患を患っている患者

・タンパク質摂取量の代理指標として尿中尿素窒素を用いた研究

・総タンパク質ではなく、個々の食物タンパク質源を考慮した研究

・疾患のリスクと死亡率を合わせたeffect sizeが報告された研究

・大豆やマメ科植物などの特定の供給源からのタンパク質摂取に関する研究と同様に、データが不十分な研究

Risk of bias assessment

バイアスのリスクは、曝露の非ランダム化研究(ROBINS-E)ツールを使用して評価された。

統計的手法

・総、動物性、および植物性のタンパク質摂取量の多いカテゴリーと低いカテゴリーを比較するためのオッズ比、相対リスク、およびハザード比(95%の信頼区間とともに)を使用して、logオッズ比、相対リスク、およびハザード比をstandard errorで計算した。

・分析には変量効果モデルを使用し、Q統計とI2の両方を不均一性の指標として計算した。50%を超えるI2値は、有意に不均一性ありとみなされた。

・動物性と植物性のタンパク質の摂取量について別々にeffect sizeを報告した研究では、最初に固定効果モデルを使用して推定値を組み合わせて全体的な推定値を取得し、次にプールされた効果量をメタ解析に含めた。

・タンパク質摂取に関連した癌または心血管疾患の死亡率のみを調査した研究も、すべての原因による死亡率のメタ解析に含まれた。

・サブグループ間の不均一性は、固定効果モデルで調べた。

・統計分析は、STATAバージョン14.0を使用

・0.05未満のP値は、Cochran’s Q test を含むすべてのテストで有意であると見なされました。

結果

・今回の研究で用いられたコホート研究の参加者数は288人から135,335人の範囲であり、年齢は19から101歳

・3.5年から32年の追跡期間中、すべての原因による死亡者の総数は113,039人、心血管疾患による死亡者数は16,429人、癌による死亡者数は22,303人だった。

・3つの記事には男性のみが含まれ、7つの出版物には女性のみが含まれていた。残りの研究のうち、3つの論文が男性と女性のハザード比を別々に報告した。

・14つが米国、17つが米国以外、1つが18カ国全住民を対象にされていた。

全ての原因による死亡率

総タンパク質の最高摂取量と最低摂取量を比較したすべての原因による死亡率のsummary effect size は0.94(95%CI 0.89〜0.99、P = 0.02)であり、総タンパク質摂取量とすべての原因による死亡率との間に有意な逆相関があることを示してた研究間で有意な不均一性がみられた(I2 = 58.4%、P <0.001)

動物性タンパク質の消費とすべての原因による死亡率との間に有意な関連はみつからなかった(最高摂取量と最低摂取量を比較したpooled effect sizeは1.00、95%CI 0.94〜1.05、P = 0.86)。研究間で中程度の不均一性(I2 = 45.2%、P = 0.04)がみられた。

植物性タンパク質の消費はすべての原因による死亡率と逆相関していた(最高摂取量と最低摂取量を比較したpooled effect sizeは0.92、95%CI 0.87〜0.97、P = 0.002)。研究間で有意な異質性がみられた(I2 = 57.5%、P = 0.003)。

心血管系疾患による死亡率

・最高と最低のタンパク質摂取量を比較した心血管疾患死亡率のsummary effect size は0.98(95%CI 0.94〜1.03、P = 0.51)であり、総タンパク質摂取量と心血管疾患死亡率の間に有意な関連がないことを示した 。 研究間で有意な異質性はみられなかった(I2 = 16.4%、P = 0.28)。

動物性タンパク質の消費と心血管疾患死亡率との間に有意な関連は見られず(最高摂取量と最低摂取量を比較したpooled effect size は1.02、95%CI 0.94〜1.11、P = 0.56)、研究間で有意な異質性はみられなかった(I2 = 31.7%、P = 0.16)。

・植物性タンパク質の消費については、心血管疾患死亡率と逆の関連がみられた(最高摂取量と最低摂取量を比較したpooled effect size は0.88、95%CI 0.80〜0.96、P = 0.003)。 研究間で有意な異質性はみられなかった?(I2 = 63.7%、P = 0.001)。数値としては異質性ありっぽいけど・・・

がんによる死亡率

・最高と最低のタンパク質摂取量を比較したがん死亡率のsummary effect sizeは0.98(95%CI 0.92〜1.05、P = 0.63)であり、明確な関連性がないことを示した。 研究間で中程度の不均一性がみられた(I2 = 40.9%、P = 0.06)。

・動物性タンパク質摂取量とがんによる死亡率に関連性はみられなかった(最大値と最小値を比較したpooled effect size は1.00、95%信頼区間0.98〜1.02、P = 0.88)。研究間に有意な異質性はみられなかった(I2 = 0%、P = 0.46)。

・植物性タンパク質摂取量とがんによる死亡率に関連性はみられなかった(最大値と最小値を比較したpooled effect size は0.99、0.94〜1.05、P = 0.68で)。 研究間に有意な異質性はみられなかった(I2 = 12.2%; P = 0.33)。

線形および非線形の用量反応分析

all cause motality

・総タンパク質摂取量と死亡率との間には、有意な非線形関係はみられなかった(非線形性についてP = 0.40)。

 1日あたりのタンパク質からの3%のエネルギー追加によるすべての原因による死亡との間に有意な関係を示さなかった(pooled effect size 0.99、0.97〜1.00、P = 0.10)

・動物性タンパク質摂取量増加によるすべての原因による死亡率に、有意な非線形の関係は見られませんでした(非線形性についてP = 0.54)。

 しかし1日あたりの動物性タンパク質からのエネルギーの3%の増加とすべての原因による死亡率との間の線形関係は、有意ではなかった(pooled effect size 0.99、0.96から1.02、P = 0.61)。

・植物性タンパク質摂取量とすべての原因による死亡には有意な非線形の関係が見られました(非線形性についてP = 0.05)。1日あたりの植物性タンパク質からのエネルギーの追加の3%は、すべての原因による死亡のリスクが5%低いことに関連していた(pooled effect size 0.95、95%CI 0.93〜0.98、P <0.001 )。

cardiovascular disease mortality

・総タンパク質の摂取量と心血管疾患の死亡率との間に有意な関連はなかった(P = 0.07)。 総タンパク質摂取量と心血管疾患死亡率との間に有意な関連性を示さなかった(pooled effect size 0.98、0.97〜1.00、P = 0.08)。

・動物性タンパク質摂取量と心血管疾患死亡率の間に有意な非線形の関連は見られませんでした(非線形性についてP = 0.37)。 非線形用量反応メタアナリシスと同様に、線形用量反応分析では、動物性タンパク質からの1日あたりのエネルギーの追加3%に基づいて、動物性タンパク質摂取量と心血管疾患死亡率との間に有意な関連性は示されませんでした(pooled effect size 0.98、0.94〜 1.02、P = 0.32)。

・植物性タンパク質摂取量と心血管疾患死亡率の間の逆相関は、非線形用量反応分析でみられた(非線形性についてP <0.001)。線形用量反応分析では、植物性タンパク質摂取によるエネルギーの追加3%と心血管疾患の死亡率との間に有意な関連性は示されなかった(pooled effect size 0.96、95%CI 0.89〜1.04、P = 0.30)。

cancer mortality

・総タンパク質の摂取量と癌死亡率の間に有意な関連はみられなかった(P = 0.84)。

・動物性タンパク質(P =​​ 0.93)および植物性タンパク質摂取量(P = 0.52)も同様の結果であった。

・線形用量反応分析は、総タンパク質摂取量(pooled effect size 0.98、0.94〜1.03、P = 0.39)、動物性タンパク質摂取量(0.99、0.96〜1.02、P = 0.50)、および植物性タンパク質摂取量(0.94、0.85〜1.03、P = 0.19)からのエネルギーの追加3%と癌による死亡率とは関連していなかった。

出版バイアス

等高線が強調されたfunnel plotの領域には、研究は全て含まれてた。 Beggの順位相関検定に基づく出版バイアスはみられなかった。 総タンパク質摂取量とすべての原因および心血管疾患による死亡率との関連、および植物タンパク質摂取量と心血管疾患による死亡率との関連について、Eggerの線形回帰テストは出版バイアスの可能性を示しました。 しかし、trim and fill法の適用は平均効果量の変化をもたらさず、結果が出版バイアスの影響を受けなかったことをさらに示唆していた。

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