重症急性膵炎の食事開始時期は?

Enteral nutrition provided within 48 hours after admission in severe acute pancreatitis

A systematic review and meta-analysis

Jianbo Song et al. Medicine (Baltimore). 2018 Aug.

文献はこちらです。

早期の経腸栄養は感染や多臓器不全のリスクを下げることがいわれていましたが、選択バイアスなども多く重症の急性膵炎患者に対する方針は確立していませんでした。

今回は”重症”にしぼった患者にフォーカスした栄養開始時期に関して載せていく。

まずはまとめから!

まとめ

今回の文献では、重症もしくは重症化が予測される急性膵炎患者に対して48時間以内の経腸栄養の効果が示された。

盲検化についての記載が不十分であること、サンプルサイズが小さいこと、栄養製剤の種類が異なっていること(6つが半成分栄養、3つが高分子製剤)、コントロール群で行われた治療方法が不明確であることがlimitationとして挙げられている。

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エビデンスレベルは高くはないものの、急性膵炎の重症化をある程度抑制可能と思われる結果であったと思われる。motalityに関してもさらに検証の必要はあるが多臓器不全や感染症合併にある程度効果があることを考えても早期経腸栄養開始は行なったほうが良いと思います。

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方法

Selection criteria
  1. SAP ( sever acute pancreatitis )と診断された患者またはSAPと予測された患者
  2. 介入:EN ( early nutrition )は入院後48時間以内に開始された。48時間外のENまたはPN ( parenteral nutrition )はコントロール群に割り付けされた。
  3. ランダム化比較試験(RCT)

除外項目→RCTでない、18歳未満の患者、入院後48時間以内に開始されたENの未定義のタイミング、必要なclinical outcomeに関する詳細情報を報告していない。

Outcome

  1. 死亡;
  2. MOF
  3. 全身性炎症反応症候群(SIRS)
  4. 手術介入
  5. 全身感染症(敗血症、尿路感染症、および肺炎)
  6. 局所敗血症性合併症(膵臓膿瘍および感染した膵臓壊死)
  7. その他の局所合併症(体液収集、偽嚢胞、および瘻)
  8. 腸管症状(吐き気、嘔吐、下痢)

Statistical analyses

  • RevManソフトウェア(バージョン5.3)およびSTATAソフトウェア(バージョン12.0)を使用
  • バイナリ変数を組み合わせて、95%信頼区間(CI)でプールされたリスク比(RR)を推定した。
  • I2テストは、含まれる研究間の統計的不均一性を測定するために使用され、P <.1またはI2> 50%は有意な不均一性を示した。
  • 有意な不均一性が観察されなかった場合は、固定効果モデルを使用して推定を行った。それ以外の場合は、変量効果モデルを統計分析に適用した。 P値<.05は、統計的に有意であると見なされた。

結果

  • PubMed、EMBASE、Web of Science、およびCochraneLibraryから合計1424件の記事を見つけた
  • 登録された1051人の患者を含む10件のRCTがこのメタアナリシスに含まれた。

Characteristics of trials included

  • 公開された研究の10件のランダム化比較試験
  • 10件のRCTのうち5件は、SAPが予測された患者
  • 予測されるSAPは、Acute Physiology and Chronic Health Evaluation(APACHE)IIスコア≥8またはCRP≥150mg/ Lとして定義された。
  • 出版国は多様であり、中国から3つ、オランダから1つ、スウェーデン、英国、ギリシャ、ロシア、ポーランド、クロアチアだった。

Risk of bias

  • 含まれている10件のRCTのうち、6件の研究が割付のシーケンスの生成に関する完全なデータを提供した。
  • 4つの研究では、割付のシーケンスの生成方法について具体的に説明していなかった。
  • 9件の研究での割付の隠蔵は適切。割付の隠蔵方法の使用に関して十分な情報を提供しなかった研究は1つだけだった。
  • 盲検法の使用に関する十分な情報を提供した研究はなかった
  • 10件以下の研究であるため、出版バイアスはファンネルプロットによる評価はされなかった。

Effects of interventions

Motality

後期ENまたはPNグループと比較して早期ENグループで有意な減少が観察された(RR = 0.53、95%CI 0.35–0.81、P = 0.003、I2 = 44%)。

Multiple organ failure (MOF)

早期ENは、後期のENまたはPNグループと比較してMOF率の有意な低下と関連していた(RR = 0.58、95%CI 0.43–0.77、P = 0.0002、I2 = 0%)。

他outcomeは省略。

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