脳卒中、TIA患者に対する二次予防効果【チカグレロル+アスピリンvsクロピドグレル+アスピリン】

文献はTicagrelor versus Clopidogrel in CYP2C19 Loss-of-Function Carriers with Stroke or TIAです。

クロピドグレルとアスピリンのDual antiplatelet therapy(DAPT)は、CHANCE(Clopidogrel in High-Risk Patients with Acute Nondisabling Cerebrovascular Events)およびPOINT(Platelet-Oriented Inhibition in New TIA and Minor Ischemic Stroke)試験はアスピリン単独投与より二次予防に効果的であることが示されている。

ただし、クロピドグレルは、肝チトクロームp450(CYP)による活性代謝物への変換を必要とするプロドラッグです。 クロピドグレルは、白人患者の25%およびアジア人患者の60%に存在するCYP2C19機能喪失型対立遺伝子の保因者における脳卒中の二次予防にはあまり効果的ではありません。

血小板P2Y12受容体を直接遮断し、抗血小板効果のために代謝活性化を必要としない可逆的経口拮抗薬であるチカグレロールは、クロピドグレルと同等またはそれ以上のレベルの血小板凝集阻害をもたらす可能性があります。急性の軽度から中等度の虚血性脳卒中または高リスクTIAの患者における脳卒中または死亡に関してPRINCE(Platelet Reactivity in Acute Stroke or Transient Ischaemic Attack)試験において、チカグレロールとアスピリンの併用で治療された軽度の脳卒中またはTIAの患者特にCYP2C19の機能喪失型アレルキャリアにおいて、クロピドグレルとアスピリンの併用療法を受けた患者よりも抗血小板反応性が低かった。この所見は、チカグレルとアスピリンの併用が、 CYP2C19機能喪失型対立遺伝子の保因者である軽度の脳卒中またはTIAの患者においてクロピドグレルとアスピリンよりも二次予防効果があったといえる。The current Ticagrelor or Clopidogrel with Aspirin in High-Risk Patients with Acute Nondisabling Cerebrovascular EventsII(CHANCE-2)試験では、その後のリスクを低減する上で、CYP2C19機能喪失型アレルキャリアであった軽度の虚血性脳卒中または高リスクTIAの患者における脳卒中においてチカグレロルとアスピリンのDAPTがクロピドグレルとアスピリンよりも優れているという仮説をテストするために設計された。

方法

デザイン

・multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled trial

・中国、漢民族

・2019年9月23日から2021年3月22日まで

・介入と対照群を1:1に割り付け

・CYP2C19機能喪失型対立遺伝子の合計6396の保因者が、クロピドグレル-アスピリンと比較して、チカグレロル-アスピリン群の新しい脳卒中(主要転帰)で25%の相対リスク減少を検出する90%のpowerを提供すると判断した。 クロピドグレル-アスピリングループでの新しい脳卒中の発生率を9.4%、全体的な脱落率を5%と仮定すると、最終的な両側有意水準は0.048です。

・ITT解析

・SAS software, version 9.4

参加者

・CYP2C19機能喪失型アレル保因者

・40歳以上

・NIHSS<3、ABCD2スコア≧4

・発症前正常と判断された最終時間から24時間以内に治験薬内服を開始できる患者

除外

・静脈内血栓溶解療法または機械的血栓摘出術を受けた患者

・治験薬の中止を必要とする手術または介入治療が予定されていた

・中等度から重度の障害(3から5の修正ランキンスケールスコア)

・頭蓋内出血またはアミロイド血管症の病歴

・無作為化の72時間前のDAPT

・ヘパリン療法または経口抗凝固療法(心房細動、人工心臓弁、既知または疑われる心内膜炎などの心臓塞栓源と推定される)による治療をしている

・チカグレロール、クロピドグレル、またはアスピリンの禁忌

介入

チカグレロール+アスピリン

1日目にプラセボクロピドグレルと180mgの負荷用量のチカグレロルを投与され、続いて2日目から90日目に1日2回90mgを投与

対照

クロピドグレル+アスピリン

プラセボチカグレロルと300mgのクロピドグレルの負荷用量を1日目に投与され、続いて2日目から90日目に毎日75mgを投与

2つのグループのすべての患者は、75〜300mgの負荷用量でオープンラベルでアスピリンを投与され、続いて21日間毎日75mgを投与されました。

outcome

90日での新しい虚血性または出血性脳卒中

主要な安全性の結果は、90日でのGUSTO基準によって定義される重度または中等度の出血

結果

・虚血性脳卒中またはTIA患者が202の地点でスクリーニングおよび遺伝子型で決定され、 6412人の患者が登録されました

・主要転帰イベントである90日以内の新たな虚血性または出血性脳卒中は、チカグレロル-アスピリン群の3205人の患者のうち191人(6.0%)およびクロピドグレル-アスピリン群の3207人の患者のうち243人(7.6%)で発生しました( ハザード比、0.77; 95%CI、0.64〜0.94; P = 0.008)

・競合するリスクとして非血管性の原因による死亡を伴う一次転帰の事後分析では、一次分析と同様の結果が得られました(ハザード比0.80; 95%CI 0.66〜0.96)。

・GUSTO基準で定義されている中等度または重度の出血の主要な安全性の結果は、チカグレロル-アスピリン群の9人の患者(0.3%)およびクロピドグレル-アスピリン群の11人の患者(0.3%)で発生しました(ハザード比、0.82 ; 95%CI、0.34〜1.98)

まとめ

・チカグレロール+アスピリンはクロピドグレル+アスピリンと比較して有意に脳卒中発生率が低かった。

・絶対リスク差は1.6%であり、safety outcomeも両群に有意差はみられなかった。

・中国人を対象としており、我々日本人にも一般化可能性はあるかもしれない。

・40歳以上、比較的軽度の脳卒中、TIA患者に対して二次予防効果はある可能性があるが、CYP2C19機能喪失型アレル非保因者に対するチカグレロルの効果がはっきりした方がより使用価値が上がると思われるがその比較試験はあるかな。

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