減塩食品で脳卒中になりにくくなる?

Effect of Salt Substitution on Cardiovascular Events and Death

Bruce Neal et al,NEJM,2021

文献はこちらです。

背景

ナトリウムレベルが低下し、カリウムレベルが上昇した代替塩(減塩食品等)は血圧を下げることが示されていますが、心血管および安全性の結果に対するそれらの影響は不確かです。

方法

中国農村部の600の村の人々を対象とした非盲検のクラスターランダム化試験を実施しました。参加者は脳卒中の病歴があるか、60歳以上で高血圧でした。村は、参加者が塩代替物(75%塩化ナトリウムと25%塩化カリウムの質量)を使用した介入群、または参加者が通常の塩(100%塩化ナトリウム)を使用し続けた対照群に1:1の比率でランダムに割り当てられました。primary outcomeは脳卒中であり、secondary outcomeは主要な心血管有害事象とあらゆる原因の死亡であり、safety outcomeは臨床的に有意な高カリウム血症でした。

結果

計20,995人が試験に登録されました。参加者の平均年齢は65.4歳で、49.5%が女性、72.6%が脳卒中の病歴、88.4%が高血圧の病歴を有していました。フォローアップの平均期間は4.74年でした。脳卒中の発生率は、通常の塩よりも代替塩の方が低かった(1000人年あたり29.14イベント対33.65イベント、rate ratio 0.86、95%信頼区間[CI] 0.77〜0.96、P = 0.006)。主要心血管イベント(1000人年あたり49.09イベント対56.29イベント;rate ratio 0.87; 95%CI 0.80〜0.94; P <0.001)および死亡(1000人-年あたり39.28イベント対44.61イベント;rate ratio 0.88; 95%CI 0.82〜0.95; P <0.001)。高カリウム血症に起因する重篤な有害事象の発生率は、通常の塩よりも代替塩の方が有意に高くなることはありませんでした(1000人年あたり3.35イベント対3.30イベント;発生率比1.04; 95%CI 0.80〜1.37; P = 0.76 )。

結論

脳卒中の病歴があるか、60歳以上で高血圧の人の中で、脳卒中の発生率、主要な心血管イベント、および何らかの原因による死亡は、通常の塩よりも代替塩の方が低かった。

感想

今回の文献では、減塩食品の摂取による脳卒中イベントの減少効果についてのRCTが行われ、有意に脳卒中発症率は減少した。その差は約4人/1000人年と、大きな差であるという印象ではなかった。しかし中国人を対象にしたものであったため私たち日本人にとって参考になる試験であったのではないか。

減塩食品を食べると血圧が低下することはよくいわれているが実際に疾患を予防するという結果が示された。今後はprimary outcomeで心血管イベントもしくは死亡率を評価した場合はどういう結果になるかをみてみたいところ。

塩分摂取が原因となる疾患は心血管疾患や脳卒中だけでなく胃癌や腎疾患等他疾患にも及ぶため減塩の効果は脳卒中だけではなくそういった疾患にもあるのではないかと思う。値は張るが減塩食品への切り替えはしておくべきかな〜とも思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA