急性虫垂炎治療は抗菌薬?それとも手術?(後編)

Treatment of Acute Uncomplicated Appendicitis

David A. Talan ,NEJM,2021

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治療

治療の前に痛みをコントロールすることが必要

痛みのコントロールが虫垂破裂の検出における診断の不正確さにつながる可能性は低い

・虫垂切除前の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の投与は安全であることが示され(出血のリスクが増加することはない)、オピオイド製剤の使用を控えることができる。

・他の作用の鎮痛薬は、頓服で処方するのが最も効果的。

制吐薬は対症療法の選択肢になる

治療が手術か非手術かに関係なく、虫垂炎の診断がついたらすぐに開始する必要がある。

・非手術的治療が予想される場合、エルタペネムやセフトリアキソンなどの長時間作用型の非経口抗生物質を、高用量の1日1回メトロニダゾールと一緒に投与すると、早期退院が促進される可能性がある。(経口抗菌薬に対して副作用がある場合や嘔気が持続している場合は非経口抗菌薬を外来で行うことも可能)

・7-10日間投与

・7日間の経口モキシフロキサシン vs 2日間の静注エルタペネムから5日間の経口レボフロキサシンおよびメトロニダゾール投与を比較した試験では、前者のグループの70.2%および後者のグループの73.8%が虫垂切除術を受けませんでした。 1年間、完全な経口治療は非劣性が示されなかった。

虫垂切除術を受ける患者の場合、抗生物質は術後に中止する

・米国では、ほとんどの患者が腹腔鏡下虫垂切除術を受けた翌日に病院から帰宅する。

・個々の回復時間は異なり、通常1〜2週間以内に通常の活動に戻る。

・腹腔鏡手術を受けた人は、開腹手術を受けた人よりも約5日早く通常の活動に戻る。通常、十分に気分が良ければ仕事や学校に戻ることができるが、腹腔鏡手術後3〜5日間、および開腹手術後10〜14日間は激しい活動を避けるようにする

・抗生物質のみの開始後、痛み、発熱、白血球増加、および食欲不振は、通常、合併症のない虫垂炎の患者では約2日以内に改善する(複雑な虫垂炎の患者での約3日と比較して)。

・24時間後、約患者の半数は、症状の改善がみられ痛みは手術よりも早く解消する。

・炎症マーカーの経過をフォローしたり、追加の画像検査を取得したりする必要はないが、これらは抗菌薬への反応が遅い患者に役立つ可能性がある。 CTで確認された合併症のない虫垂炎の患者の約20%が、手術中に虫垂の破裂と膿瘍を持っていることがある。

・状態が安定していると見なされ、痛みが抑えられ、水分摂取を摂取できるようになったら、非手術的治療を受けた成人では救急科からの帰宅を検討する。

・食物が許容されるなら、標準的な食事療法を再開することができる。

・子供に関するデータ少ない。

・退院後、痛み、発熱、または嘔吐が持続または増加している場合は、すぐ連絡させる。

・手術を受けた人は、傷口の発赤、腫れ、またはドレナージがある場合はすぐ連絡させる。

・非手術的治療を受けた人は、退院後1〜2日以内に連絡を取り、体調、状況を確認する。再発を示唆する症状や、体重減少などの別の病的状態を示唆する症状がある場合は、来院させる。

虫垂炎が再発した場合、手術が一般的に行われる

・40歳以上の成人は、稀ではあるが虫垂癌の可能性も考慮する。

・複雑な虫垂炎の非手術的治療が成功した40歳以上の成人では、一部の専門家は、症状が解消してから3か月以内にフォローアップの結腸内視鏡検査または造影剤増強CTを推奨している。

・虫垂切除術を受けた患者の転帰を抗菌薬の投与を受けた患者の転帰と比較した試験は盲検化されておらず、抗菌薬に対する反応がないことと手術の必要性の基準は主観的である。

・手術の適応がないにも関わらず患者の要求に応じて虫垂切除術が行われ、治療の決定は患者と医療提供者の偏見に影響された可能性がある。

・特定の集団(妊婦や高齢患者等)における非手術的治療の利点とリスクに関するデータは限られている。

・虫垂石のある患者のケアに関しては不確実性が残っており、虫垂石のない患者と異なり再発性虫垂炎の発生率が不明。

・外来治療に適応のある患者の選択や抗菌薬レジメンに関してさらにデータの検証が必要。

・合併症のない虫垂炎で入院した低リスク患者を対象に、支持療法+抗菌薬を支持療法のみと比較したランダム化試験では、治療失敗率にグループ間の有意差は見られず、虫垂炎の一部の症例が自然に解消する可能性があることが示唆されたがさらに検証が必要。

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